共産主義!?給料が安い人だけが得する仕組み
厚生年金は給料の低い人がお得?
国民年金は基礎年金といわれるように、高給取りであろうと、無職だろうと、一律で金額が決まっています。
その基礎年金に上乗せされる厚生年金や共済年金は、給料やボーナスによって、保険料が決まります。
厚生年金は入社から退職までの平均給料と、加入した年数によって金額が算出されます。
給料によって保険料も上がり(上限あり)、その分、もらえる厚生年金も多くもらえます。つまり費用をかけたら、戻ってくる分もそれなりとなり、不公平感は感じられない結果となります。
しかしベースにある国民年金はそうはいきません。
まず厚生年金の保険料を支払っている人は、その保険料の中に国民年金の保険料が含まれていることはご存知ですよね。国民年金は、加入期間だけで年金額が決まります。
だから国民年金を含む、厚生年金の保険料をいくら給料から天引きされているかは、全く関係ないのです。
給料の安い人ほど費用効果が!
毎月の給料が20万円の人は、保険料として12,195円を自己負担しています。給料が50万円の人は30,490円を自己負担しているので、支払う保険料は約2.5倍です。
もらえる保険料は、計算式(平成15年4月以降の被保険者の期間)「平均報酬額×5.481/1000×被保険者期間の月数」をつかって算出した図1の表をご覧ください。
平均給料20万円 | 平均給料50万円 | |
厚生年金 | 394,600 | 986,600 |
国民年金 | 594,100 | 594,100 |
合計 | 988,700 | 1,580,700 |
(図1)加入期間30年、賞与なし、スライド等考慮せず
単純に、給料50万円の人は20万円の人に比べて、もらえる年金合計は1.6倍多いことになりますね。支払った保険料は2.5倍の差があったことを考えると、費用効果の高さが分かります。
このように支払う保険料ともらう年金を比べてみると、厚生年金は給料が安い人にとって、お得な制度といえるかもしれません。
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