変額年金と定額年金とは
変額年金とは
変額年金とは運用成績によって、将来受け取れる年金額が変動する個人年金保険です。
変額年金は国内外の株式・債券などで運用されています。
したがって株価や債券の下落、為替の変動などにより、受け取れる年金額や積立金額、解約払戻金などが、払い込んだ保険料の総額を下回ることもあります。
もちろん逆に契約時に低かった市場金利が、上がった場合は、その価値は上昇し、払込み保険料の総額を上回ることだってあります。
このメリットとデメリットを緩和するために、中には年金原資や年金の受取り総額に最低保証をつけている変額年金もあります。
定額年金とは
定額年金は、契約時に定められた年金額を、将来受け取れる個人年金保険です。
加入時点で将来受け取れる年金額が確定するので、もし市場金利が上がるとその価値は下がります。また将来、物価が上昇すると老後の資金としては不足してしまう可能性があります。
このようなインフレリスクも定額年金には考えられます。
もちろん将来、予定利率が下がったり、物価が下がる場合にはお得だと考えられ、また受取額が分かっていると今後のプランが立てやすいという利点もあります。
変額年金と定額年金の動向
社団法人生命保険協会が調査した、個人年金保険の「新契約の件数・金額とその伸び率・構成比」、「保有契約の件数・金額とその伸び率・構成比」(平成14年度~19年度分)から、変額年金と定額年金の動向を比べてみましょう。
新契約の件数・金額とその構成比は、「変額年金<定額年金」、保有契約の件数・金額とその構成比は、「変額年金<定額年金」という特長がみられ、特に保有契約の件数・金額においては定額年金が大きく上回っていました。
新契約の件数・金額の伸び率は、平成17年度まで「変額年金>定額年金」となり、個人年金保険の新契約の中で、変額年金が占めた割合は平成17年度がピークとなり、それ以降は下げに転じています。
これらから変額年金は、銀行窓販解禁をきっかけに、団塊世代の退職金等の獲得手段として急増したように見受けられます。
したがって、変額年金が個人年金保険の主流とまでは至っていないのが現状でしょう。
個人年金は個々の家族構成やライフプラン、また市場金利や公的年金不安などの経済・社会情勢によっても、加入などの動向は変化してします。
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